1900年代初頭 錦手 山水図三ツ鉢 箱有 青海波文 舟 二重高台 明治大正期

ご覧頂きましてありがとうございます。 この染錦三ツ鉢は、色彩の美しさと精緻な絵付けが際立つ、優雅で格調高い逸品です。見込みの中央には牡丹が染付で描かれており、これは古来より富貴や繁栄の象徴とされる花で、器の格式を一層引き立てています。また、三方には青海波と舟の意匠が施されており、青海波は永遠の平穏や吉祥を表す縁起の良い文様として知られています。そこに舟が組み合わされることで、「人生の旅路が穏やかに進むように」という願いが込められているかのようです。 さらに、外側には雄大な風景が描かれています。松や山々、川の流れが細やかに表現され、まるで一幅の日本画を眺めているかのような趣があります。このような風景画の絵付けは、江戸後期から明治・大正時代にかけて特に発展した技法のひとつであり、当時の職人の卓越した技術を感じさせます。 また、三ツ鉢という形式も魅力的です。大小三つの鉢が揃うことで、食卓を彩る器としての実用性が高まり、飾り皿としても存在感を放ちます。さらに、経年を感じさせないほど良好なコンディションが保たれており、共箱が付属している点も価値を高めています。共箱は、器の由来や格式を証明する重要な要素であり、これがあることで作品の信頼性や保存状態の良さが際立ちます。 染錦の華やかな色彩と、落ち着いた染付の組み合わせが絶妙なこの三ツ鉢は、美術的な価値だけでなく、実際に使うことで生活の中に彩りと豊かさをもたらしてくれる逸品です。歴史を感じさせる優雅なデザインと、実用性を兼ね備えた魅力が、この器の特別な存在感を際立たせています。 陶磁器の町、佐賀県伊万里市在住で古物商（第911100009525）を営んでおります「陶磁器ヨーソロー」と申します。 古伊万里、現代作家もの、個人で製作活動しているレアな窯元、有田焼伊万里焼の陶磁器を中心に出品しております。 未使用品に関しては陶磁器商社、骨董に関しては古物競りやコレクター依頼品でございますので、ご安心くださいませ。