C.F. Martin HD-28 SQ CTM 1992 激鳴り

初めにお伝えしておきます。 こちらの一本、『大事に大事に育てられてきた箱入り娘』のようなギターではございません。 『昭和生まれの頑固オヤジに厳しく、時には手を上げられながら育てられた無骨な漢』と言った貫禄・本物の一本です。 画像でお分かりの通り、ピックウェア・打痕などそれなりに見られますし、純正ハードケースのマーティンロゴも欠落していたりしますが、致命的な割れやブリッジ剥がれ、ネック反りなどのない、正に究極のプレイヤーズコンディションと言える逸品です。ストリートレジェンドシリーズのような嘘くさいレリック加工ではなく、本物のヒストリーを湛えた外観で迫力十分です。 アコギ弾きなら一度は憧れるマーティンですが、お金を貯めていざ現行のD-28を弾いて、『あれ、マーティンってこんなものなのかな？思ったより鳴ってないな』といった経験はございませんか？ はっきり言って、マーティンにしろギブソンにしろ、それぞれの個体差・鳴りのバラ付きというのは国産手工ギターに比べてかなり振れ幅がございます。 いわゆる『当たり個体』とされるものに出会えるのは運によるところが大きいので、現行品を購入する際は何店舗も回って、場合によっては2桁以上の試奏をしないと、納得の一本に出会えないことがございます。 さらにマーティンは、ハズレ個体を引いてしまうと大して弾き込む前からブリッジ浮き・バインディング剥がれ、クラック、ネック反りなどの症状が現れることが多く、程度の良いヴィンテージを探すのは至難の業となりつつあります。 こちらの一本は神奈川県のUNI SOUND様にて購入した一本です。購入時のHPより画像と説明文を記載しておりますが、商品状態は正にその画像の通り、説明文の通りとなっております。 年代的にはアジャスタブルロッドの入っている年代ですが、こちらは昔ながらのヴィンテージと同じSQネック仕様となっております。 恐らく個別オーダーにて製作されたものかと推測されます。 ハードに使用されても生き残っている歴史が示す通り、サウンドは正に『激鳴り』の一言で、野太い低音とサスティーンの効いた中音、これぞマーティンと言える煌びやかな高音のバランスが素晴らしい一本です。 お近くにお住まいの方でしたら、是非一度ご試奏においでください。一度でもプレイすれば必ずお気に召していただける自信がございます。